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2024.05.27

経営改善計画策定支援事業(通称405事業)における利用申請までの手順とポイント

1. 「405事業(経営改善計画策定支援事業)」とは?

本事業は、借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えており、金融支援を伴う本格的な経営改善の取組が必要な中小企業・小規模事業者を対象として、国が認定した専門家である認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関と略)の支援を受けて「経営改善計画」を策定することで、経営改善の取り組みを促すものです。

認定支援機関の支援を受けながら経営改善計画を作る場合に、必要となる費用のうち最大2/3が中小企業活性化協議会より負担されます。

なお、2013年3月の事業開始時についた予算額が405億円であったため、通称で「405事業」と呼ばれています。

2.405事業(経営改善計画策定支援事業)制度概要の特徴

405事業には「通常枠」と「中小版GL枠」があり、それぞれの対象事業者や補助経費、補助上限等において異なる点があるため、405事業の利用申請前に確認する必要があります。

今回は「通常枠」と「中小版GL枠」において、405事業の制度概要のうちポイントとなる2点について、中小企業庁HPに掲載されている制度概要を基に解説します。

①対象事業者

<通常枠>

「借入金の返済負担等の影響による財務上の問題を抱えており、自ら経営改善計画等を策定することが難しいものの、経営改善計画の策定支援を受けることにより、金融機関からの支援が見込める中小企業・小規模事業者」と規定されています。

<中小版GL枠>

「「中小企業の事業再生等に関するガイドライン<第三部>中小企業の事業再生等のための私的整理手続(以下、ガイドラインと略)」に基づき計画策定を行う中小企業・小規模事業者」と規定されています。

ただし、通常枠と中小版GL枠において1行取引の場合においても本事業の対象とされておりますが、そのような事案は通常、信用保証協会の保証付きとなっていることが想定されるため、この場合は金融機関と信用保証協会の同意が必要となります。

②補助対象経費、補助率、補助上限額

405事業の支払対象となる費用項目は、「通常枠」と「中小版GL枠」のそれぞれにおいて下記のように規定されています。「通常枠」と比べますと、「中小版GL枠」の補助上限額が高くなっています。

3.405事業(経営改善計画策定支援事業)利用申請までの手順

①認定支援機関に問い合わせる

405事業を利用するためには、まず経営改善計画策定支援が可能な認定支援機関を見つけることが必要となります。下記のような方法で依頼する認定支援機関を探し、405事業の利用についての問い合わせをします。

【認定支援機関の探し方】

◆メインバンクに相談して紹介してもらう

◆中小企業活性化協議会に問い合わせる

◆中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムで検索する

(URL:https://ninteishien.my.site.com/NSK_CertificationArea)

認定支援機関を探す際は、自社の業界や事業内容について詳しく豊富な実績があり、かつ計画策定能力が高い機関を選ぶことがポイントです。

令和5年度中小企業活性化セミナーでの報告によりますと(*1)、COVIT-19前後の支援機関別に占める民間コンサルティング会社の割合は、どちらの時期も最も高い上に、COVIT-19前(平成30年4月1日~令和2年3月31日)の42%から、COVIT-19後(令和3年4月1日~令和5年3月31日)の50%へと上昇傾向を示しています。

認定支援機関である弊社(株式会社咲楽)は、これまでに日本全国で関与した事業調査及び事業計画策定の実績件数は90件以上あり、そのうち405事業においての経営改善計画策定は10件以上の実績があります。

②利用申請書類の作成と提出

通常枠・中小版GL枠のいずれを申請する場合も、事業者は中小企業活性化協議会に対して、下記に示す4つの利用申請書類に必要事項を記入し、6つの添付書類を用意した上で、認定支援機関と連名で中小企業活性化協議会に提出します。

なお、令和5年度中小企業活性化セミナーでの報告によりますと(*1)、経営改善計画策定支援(通常枠)の令和3年度以降の利用申請件数は、令和3年度の1,507件から、令和4年度の1,890件へと増加傾向にあるとされています。

まとめ

405事業の最大のメリットは、外部の専門家である認定支援機関による支援を受けて経営改善計画等を策定し、その費用を負担してもらえるところにあります。

ホテル・旅館専門の経営コンサルティング会社である弊社では、405事業を活用した支援も承っており実績も多数あります。財務的なお悩みを抱え、自ら経営改善計画等を策定することが難しい事業者様はぜひご相談ください。

参考(*1):令和5年度中小企業活性化セミナー資料(2024年2月開催)

URL:https://www.smrj.go.jp/supporter/revitalization/seminar/index.html